会社のルールを守るということ

2020.04.25
カテゴリー:経営

社内ルールか、スピードか

現在、新型コロナウイルスの影響で社会や経済は活動を止めることを余儀なくされ、多くの方が大変な目にあっています。
なぜなかなか緊急事態宣言を出さないのか、なぜ全ての人が検査を受けられないのか、変に要件を設けないでスピード重視でみんなにお金を渡してあげるべきだ、など、政府の対応やその遅さにフラストレーションをためている国民が多くいるように感じます。
専門家の中にも、どうせ法案が通ることは見えているのだから、その作業と同時に検査なりをする準備を今から始めるべきだ、という意見の方もいるようです。

ルールはスピードよりも軽いか

これを社内の稟議プロセスなどに当てはめると、どうせ稟議はノーチェックでどんどん承認印が押されていくだけなんだから、最終承認を受ける前に発注しちゃっても同じでしょ、というような判断をしてしまうことと事象は似ていると思います。
果たして、形骸化している社内プロセスと、ビジネスのスピードとどちらが重いのでしょうか。
教科書的な回答となってしまうかもしれませんが、ルールの方が重い、と個人的には考えています。社内プロセスが形骸化してしまっているのは、そもそもの社内におけるルールの運用の問題であり、社内ルールがなぜ定められているのかをまずは考えていく必要があります。

社内ルールの存在意義

それでは、社内ルールはなぜ定められているのでしょうか。
色々な考え方や働き方、背景や特徴を持った人が集まる会社において、多様性が会社の強みと考えられる時代ではありますが、多様性を持った組織だからこそ、全員の行動をある程度揃えるためのルールが必要になってきます。様々な人がそれぞれの考え方に基づいて好き勝手に行動してしまうと、個々のパフォーマンスはもしかしたら上がるかもしれませんが、それが会社として、組織として望ましい結果になるかは、未知数であるといえます。各社員の行動が会社としての行動なのか、社員個人としての行動なのか、分からなくなってしまいますし、社員個人の判断で行った行動が、会社の理念に反したものになってしまう可能性もあります。
ルールなど無くても会社の構成員である社員一人一人が会社の理念をしっかりと理解し、行動に落とし込むことができるのが理想ですが、それは容易なことではありません。そのため、会社はルールを策定し、それに従うように社員に指導するのです。

どうせ法案が通るのは見えているのだから、可決される前に行動を開始してしまえ、と考えてしまっては、何のために法律があるのかが分からなくなってしまいます。非常事態だから今は超法規的措置をとるべきという意見もあるかもしれませんが、一度ルールを軽く扱ってしまうともう後戻りはできないでしょう。
たとえ非常事態や緊急事態だとしても、ルールを軽く扱ってしまうと、以後の社内管理が大変になってしまいます。社内プロセスが形骸化してしまっていて社内で軽視されているのであれば見直すべきですし、それがいざというときの素早い行動に寄与するかもしれません。