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守破離

人材育成

芸術の世界において、「守破離」という言葉があるようです。
まずは師匠から教わったことを「守る」、
そしてその教えに従って鍛錬した後は、自分なりの型を模索し、「破る」、
その後さらに鍛錬し、既存の型に囚われることなく、「離」れていく。

これは芸術の世界だけでなく、社員の育成にも同じことが言えるのではないかと思います。

どんな職種であれ、最初は技術的なところを教えるところからスタートするでしょうし、会社の場合にはそこに会社の理念なども加わると思います。
一人前になった社員は、上司の指導がなくとも単独で物事を前に進められるようになり、細かい部分では上司とはやり方が異なってくることもあるでしょう。
最後の「離」については、会社から独立してしまうということだけではなく、社内で新たな役職につき、自分なりのやり方でそのチームをまとめていくということにも当てはまるのではないかと思います。その時には、その人なりの組織のまとめ方が見つけられていて、そのやり方で部下の指導にあたっていくことになるのだと思います。
それでも、根底には最初に教えてもらったことがどこかに残っている、ということが多いと思います。

業務の進め方の個性

指導をした上司としては、自分のもとを離れて大きくなってくれた、と考えたり、自分のやり方と異なるやり方をするようになってしまった、と考えたりするかもしれません。
ここについては正解はないとは思います。
全員が同じやり方で業務をすることにより品質管理が出来るようになるということも、会社の理念を大事にしつつも個々の事情や状況により異なるやり方で進めていくことによる、会社としての幅を持たせることができることも、どちらも企業が成長していく上では重要なことだからです。
一つ確実に言えるであろうことは、会社の理念が無視されてはいけない、ということだと思います。会社の理念は、会社としての意思決定、人材の採用、取引先とのやり取りなどにおいて構成員が判断基準とするところであり、ここがブレてしまうと組織として動くことができなくなってしまいます。
社内で共有した思いから逸脱しない限りは、業務の進め方には個性はあってもいいのではないかと考えます。

社長と専門家

私達は何か専門的な判断が要求されたり、処理方法などに複数のやり方が認められるときには、会社(社長)の判断を仰ぐようにし、それを極力尊重しています。法律や基準などを持ち出して、「こうするべきだ」「こうしなければならない」などということは言わないようにしています。
我々が外部の人間だからといって、お客様の企業理念から逸脱してしまっては、お客様と同じ方向を向いて走ることはできないと考えております。お客様の業務の一部をお任せ頂いている以上は、お客様の構成員のように行動するべきであり、我々の理念を押し付けるようなことはあってはなりません。
もちろん、専門家としての判断が必要になる場面で、法律などのルールからはみ出してしまうような意思決定をされている場合にはそれを止める責任がありますので、説得させて頂くということはあります。しかし根本のところではお客様の思いが実現できるように尽力しております。
お客様と同じ方向を向いて走りたいですし、お客様から身内のように扱って頂けることは非常に幸せなことであるため、それも我々の大事にしている”理念”です。

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