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01.入退社の手続き
入社時、退社時に必要な手続き
社員を採用したとき、および社員が退職したときには様々な手続きを要しますが、社内手続きとしては貸与品の有無や誓約書等、会社ごとに異なるルールがあると考えられますので、ここでは主に社外との手続きについて述べさせて頂きます。
- 入退社時の社外的な手続きとしては、
- 社会保険の手続き
- 労働保険の手続き
- 住民税の手続き
- 扶養控除等申告書の記載
- などがあります。
社会保険、労働保険
正社員であれば基本的には必ず、非正規社員であっても要件を満たした場合には、社会保険や労働保険への加入が義務付けられています。
会社によっては一般的な協会けんぽではなく、業界特有の健康保険組合に加入していることもありますが、社会保険としては健康保険と厚生年金についての登録が必要になります。
マイナンバーや年金手帳などを添付して、必要事項を記入した書類を健康保険組合や年金事務所に提出します。
提出後、健康保険証が送られてきますのでそれを入社した社員に渡します。
また加入した月の給与計算から社会保険を含め、翌月の社会保険料の支払いに加味されます。
労働保険には労災保険と雇用保険があり、それぞれ、労働基準監督署とハローワークに書類を提出することになります。
提出後、雇用保険証が送られてきますので、本人用のものを入社した社員に渡します。
こちらの支払いは年に1回、7月10日までの申告・納付となりますので、毎月雇用保険を天引きしておいて、納付時に精算します。
労災保険は社員負担はなく、会社が全額負担することになります。
社会保険や労働保険は、会社が手続きを怠ってしまうと、社員が健康保険証を持てなかったり、年金の計算に誤りが生じたり、就業中の事故等に対して保険を受けられないなど、社員の生活に直接的な影響を及ぼしますので、漏れなく行わないとせっかく入社してくれた社員からの信頼を損なう結果になりかねません。
なお、社員が退職した際には、それぞれに資格喪失届を提出することにより、保険関係が終了することになります。
住民税
住民税については、会社は特別徴収という形で、毎月の給料から住民税を天引きし、翌月に納税することを求められています。
期間は6月から翌年5月までで、前年分の住民税を支払います。
転職により社員が入社した場合には、社員の選択により住民税の天引きを前職から引き継ぐこともできるため、その場合には各自治体に住民税特別徴収の異動届を提出する必要があります。
逆に退職した際には、
- 退職時に残りの期間分も一括して天引きするか
- 個人で納税することとする(普通徴収)か
- 次の職場に天引きを引き継いでもらうか
を退職する社員に選択してもらい、その旨を異動届の形で自治体に届け出ます。
それにより翌月からの会社としての天引きをする必要がなくなります。
所得税
毎月の給料からは上記社会保険や雇用保険、住民税に加えて所得税も天引き(源泉徴収)しますが、所得税の源泉徴収については特に書類の提出は要しません。
源泉徴収税額表に基づいて天引きの計算をすることとなります。
ただし、源泉徴収税額表の金額計算の根拠として扶養控除等申告書の提出を社員に求める必要はあり、会社としては提出を受けた申告書を保管する必要があります。
02.年末調整
年末調整とは
年末調整が経理の業務か人事の業務かは、会社により異なることが多いですが、12月支払いの給与(または翌年1月支払いの給与)にて反映させることや、1年間の給与情報などを用いて計算することから、人事の業務となっているケースが多いように考えられます。
年末調整を外注している会社でも、会計事務所に委託しているケースと社労士事務所に委託しているケースがあるようです。
厳密には、年末調整は各社員の1年間の所得税を計算する作業ですので、どちらかというと会計事務所の領域であると考えられます。
人事は毎月の給与計算において、額面から社会保険、所得税、住民税などを天引きして給与支払額を計算しますが、ここで計算している所得税の天引き額の合計が、1年間の各社員の税金計算とは必ずしも一致しないため、1年を通して徴収した所得税と、最終的に計算される所得税との調整をする作業が、年末調整となります。
通年で一致するように計算された税額を毎月源泉徴収しているのですが、賞与の金額や、年度内で扶養家族に変動があったり、生命保険の金額やふるさと納税などの金額があると、月次で計算した源泉所得税に過不足が生じます。
多くのケースで税金の払い戻しとなりますが、賞与が多額であったり、扶養家族が減少したりすると、追加で納税することもあります。
年末調整の計算結果は毎月の給与計算と同じように、会社としては給与の支払額に反映させて社員が自ら納税・還付申請しないでいいようにします。
社員が税金の還付を受けられる(税金の払い戻し)ような場合には、会社が社員に差額を払った上で、以後の源泉税の納付額から差し引いて税務署への支払額と調整します。
逆に社員が追加で納税する必要があるような場合には、社員から普段よりも多めに徴収し、翌月の源泉税の支払額に加えて会社から納税します。
年末調整後の手続き
年末調整をした後は上記の通り納税や税金還付の手続きを社員に代わって会社が行いますが、それに加えて、税務署には法定調書合計表を、各自治体には給与支払報告書を提出します。
法定調書合計表には必要に応じて個人の源泉徴収票を添付します。
各自治体には、全員分を提出することになります。
税務署や自治体(区役所や市役所等)に提出する源泉徴収票や給与支払報告書には、社員のマイナンバーを記載する必要があります。
社員がどうしてもマイナンバーの提出を拒否するような場合には、その旨を説明しなければなりません。
各役職員が居住している各自治体は、会社から提出を受けた給与支払報告書により個人の所得を把握し、住民税の計算をした上で、翌年6月からの住民税支払額の計算をします。
住民税の金額は5月頃に会社に発送され、6月支払い分の給与から天引を開始します。
一方で税務署としては法定調書合計表や源泉徴収票の提出を受けても、特に個人に対する追加の税務手続きをすることはありません。
ただし、源泉徴収票の提出があっても確定申告をしないといけないような場合に、確定申告がされていないことが把握できるために、その確認の連絡をすることはあります。
また就労ビザの申請をしているような会社では、就労ビザの発行時および更新時に法定調書合計表の控えを提出することが求められるため、提出した法定調書合計表の受領印付の控えを保存しておく必要があります。
シェア管理部は会計事務所を母体としているため税金の計算は専門ですし、毎年多くのお客様の年末調整のお手伝いをしている実績がございますので、年末調整につきましてもご依頼頂くことが可能です。
03.社会保険手続き
社会保険とは…?
“社会保険”という言葉は大半の人がご存じかと思います。
ただ、社会保険とは?と聞かれると身近なものでありながら説明できない方も多くいらっしゃると思います。
それは従業員であっても社長であってもさほど大きな差はないのかなと感じています。
社会保険とは広義と狭義があります。私たちが普段給与から天引きされているような”社会保険”は狭義を指します。
広義の社会保険の説明は割愛しますが、狭義の社会保険は4つの保険を総称して社会保険と言っています。
その4つの社会保険とは、「健康保険」、「介護保険」、「厚生年金保険」、「労働保険」を指します。
更に「労働保険」は「雇用保険」と「労災保険」を合わせたものを言います。
煩雑で、でも重要な社会保険手続き
従業員が入社した際は、「健康保険」、「厚生年金」、「雇用保険」などの加入手続きが必要となります。
また、従業員が退職した際も「健康保険」、「厚生年金」、「雇用保険」などの資格喪失届の提出が必要となります。
更には、会社が引越しをした際や名称を変更した場合には、各種変更届を各行政機関に提出することとなります。
これら以外にも毎年定期的に提出すべき算定基礎届等の提出もあります。
このように社会保険手続きは、会社を維持していく上で必要不可欠な手続きではあるものの、煩雑で提出先も多く時間がかなりとられることとなります。
社長を始め従業員の皆様は本業に専念して頂き、煩雑な社会保険手続きはアウトソーシングしませんか
社会保険の目的は、人々の生活の安定を図ることとしています。いつ何が起こるか分からない日々の中で、社会保険制度は私たちに安心をもたらせてくれる制度でもあるといえます。
しかし、上記でも記載したように社会保険の手続きが煩雑であることも事実です。
社長を始め従業員の方々には本業に専念して頂き、会社の運営・維持に努めて頂きたく思うのです。
04.給与計算
絶対に間違えられない給与計算
従業員の方にとって1番のモチベーションとなる給与。
絶対に間違えられないものであるにも関わらず社会保険の改定や支給額に応じて変動する所得税の仕組みについても理解する必要があり煩雑です。
また、社内業務として従業員の方へ依頼することにより情報漏洩の可能性も少なからずあるのも事実です。
そして給与計算業務を担ってくれる従業員の方が退職をしてしまった際などにはまた最初から人材を育成する必要があり時間も要します。
給与計算業務をアウトソーシングするということ
給与計算業務は社内で行うものという考えがあります。若しくは社会保険労務士へ外注として依頼することもあると思います。
従業員の方に給与計算業務を担ってもらうということは、少なからずその方の心労にもなるかと想像します。
その方も人間ですので、私より高い給与を頂いて・・・など気にかかることもあるでしょう。また、ミスが許されないという重圧もあると思います。
アウトソーシングすることにより、情報漏洩を防ぐことも可能ですし、心労を抱える従業員の方がいなくなることもメリットとなると思います。
何より、間違えられない給与計算の社会保険料率の改定や年末調整業務など専門性が求められるものについて対応をする必要がなくなります。